初の軟式野球団とのコラボレーション、
そのきっかけとは?

ーースラッガーは、軟式野球実業団では唯一のコラボレーションをゴリラクリニックベースボールと実現されました。そのきっかけは何だったのでしょうか?

小川:きっかけは、先ほどお話にもありました様に、今浪監督とスラッガーとの繋がりがまずありまして、監督をされると話を聞いたときに、「え〜!」って。「最初はもう、スラッガーを推してってよぉ」みたいな。っていうところから、スタートしたんですけど。ゴリラクリニックのことを聞いて、調べてみたら、「わぁ、メンズ美容クリニック、すごい魅力的な会社だな」と思ったんです。正直、男性専門って少ないと思うんですよね。
さらに、ホームページを見ていると、男の美に対する意識がすごいな、かっこいいなと思って。母体である会社自体にも、とても魅力を感じたんです。
あと、話が進んでいく中で、デザインをあげてもらったときに、なんてこだわりがすごいんだ、と思って。このデザインはすごい。やってみたいと思ったんですよ。

先ほど、今浪監督も言ったみたいに、野球界は型にはまったモノしか無かったので。GCBデザインの野球道具、野球カバン、ユニフォーム、ウエアがあったらかっこいいなと思って。そういうところにも、ものすごく魅力を感じて、「やってみたい」「一緒に道具を作りたい」っていうのが、ありましたね。

今浪:100点ですね(笑)

ーープロ球団とは、契約があるとは思いますが、実業団野球界では軟式だけではなく硬式を含めても、ここまでの取り組みはなかなかないのではないでしょうか?

小川:仰る通りで、プロに関しては基本的に契約をしてるんで、この球団はユニフォーム契約がこのメーカーで、と決まっています。硬式の企業チームでも、関西にちょっと取引の強いチームはもちろんありますけど、ここまで全部、バッグから何からっていうのは、無いですね。
軟式の企業チームになると、全部丸ごとっていうのは、まずゼロですね。初めてです。

ーーちなみに、これを機に「スラッガー、フルオーダーで作りたいんですが」というお話が来たらどうされますか?

小川:今回、会社とも話したんですけど、もし、多くの方が知ることになり、そういったお話をいただくことになったとしても、増やさない方向で行こうよっという話にはなっています。ここまで拘って、色んなアイテムを作っているので、本当に唯一無二のものにしたいんですよね。 他にないものにしていきたいんで、ぜひ。僕も個人的にそう思ってます。

スラッガーのグローブを使用する際のアドバイスは?

ーーここで、今回GCBの選手もスラッガーのグローブを使われるとのことですが、使ったことがない選手もおりますので、初めて使用する際のアドバイスはありますでしょうか?

今浪:スラッガーは、やっぱり革が呼吸をしてるから(笑)酸素をあげた方がいい。

小川:そうですね(笑)でも、本当に呼吸をしてるっていうくらいなんですよ。革にですね、余分な加工をしてないんですよ。他のメーカーさんのグローブって、雨とか風にも影響を受けないように革にコーティングをしてるんですよね。でも、スラッガーのグローブは、コーティングをしてないので、素により近い状態で製品化しています。だから、お湯に浸けて湯もみも出来るんですけども。なので、そういった面で言うと、レザーローションみたいな液体のオイル状のお手入れ用品を使っちゃうと、それがそのまま染み込んで重くなっちゃうんですよ。柔らかくするんだったら、良いと思うんですけど。汚れを落とす際や保革をする際には、レザーローションの様な液体のものは、極力使わない方が良いと思います。

今浪:スラッガーにすごく汚れの落ちるクリーナーがありますよね。白い蓋の青いボトルで1,200円の。それはクリーム状なので、染み込まずに汚れがめちゃめちゃ落ちます。俺はずっと、それだけでした。油じゃなくて、ホント、クリーナーですよね。グローブは全部、それで磨くし、私服の靴とか、鞄、革製品、エナメル製品、なんでもそれひとつで、いけちゃうってよく言ってましたよ。つい最近も、違うチームの人からスラッガーの店員やと思われてるから、電話かかってきて「またあのクリーナーお願いしたいんだけど」って(笑)

本当に多いんですよ。スラッガーを使ってないプロの選手でも、汚れ落としやお手入れだけは、スラッガーのクリーナーを使うっていう選手。

ーーそれだけ、みなさん余分な油を使ってはいけないと理解されているんですね。

小川:そうですね。使う必要がないと思います。保湿というか、亀裂が入ったり破れてしまわないように、手入れするっていうくらいの感覚で良いと思います。油をつけてしまうと、息ができなくなるから。新しいとどうしても油を潤沢に塗ってしまいがちなんですが、自然なというか、手入れは必要だけど、そんなに神経質になって油を塗る必要はありません。長持ちさせる気持ちで、汚れを落として綺麗に使っていただけると嬉しいですね。

スラッガー、型番へのこだわりとは?

ーースラッガーのグローブには、「○○モデル」の様なプロ野球選手の名前を冠にしたネーミングが昔から無く、全て型番で表記されていますよね。何かこだわりがあるのでしょうか?

小川:まず、「○○モデル」が無いっていうのは、要は、契約をしないといけないわけですね、選手の方とアドバイザー契約。この選手を用いて宣伝をしていいですよっていう契約を各球団としないといけないので。
今でこそ、ウチはカタログに5名起用させていただいていますが、当時は1名でした。年間で1名なんです。
だから、カタログをパッて開いたら、その選手がひとりだけプレーしてる写真が1ページあって終わり。そんな感じだったんですよ。
まあ、小さな会社なんで、そんなに契約金も払えない。
資金の面では、大手メーカーさんに比べて、やっぱり少ないので、契約する選手自体も少なくはなりました。
なので、そもそも、契約選手が少ないので「○○モデル」とは謳えなかったんです。

とはいえ、今は、複数名の契約選手がいます。
それでも個人名を出さないのは、他のメーカーと同じことはしたくない、というのが強いかもしれません。でも、ほんのりわかるようになってるんですよ。
「L-5」や「L-7」とか。小さいモデルが「L-7s」。
ユーザーが、「これって、もしかしてLが頭文字の球団のあの人のモデルかな?」みたいな。ちょっと匂わす程度にしておいた方が、面白いかなっていう。

ーーなるほど。それは、確かにワクワクしますね。

小川:そうなんです。その妙と言いますか、昔は、契約選手以外のモデルも型番表記で存在していたとかいないとか(笑)

硬式グローブと軟式グローブの違いとは?

ーー硬式と軟式のお話もありましたので、ここで再度、グローブについて今浪監督に伺いたいと思います。プロ野球選手時代は、硬式のグローブを愛用されていたかと思いますが、今回、軟式グローブを使ってみて、ズバリその違いとは何でしょう?

今浪:正直言うと、そんなに、違いはないです(笑)
それでも、一番の違いと言えば、革の張り・柔らかさ、ですかね。GCBで使っている軟式グローブの特長として、硬式でも使えるくらい上質な革なんですよ。良い革なんですね。なので、実際にプロでも軟式革を好んで、わざわざ作る選手もいるんですよ。僕もヤクルト時代に外側を硬式革で内側を軟式革で作ってもらったことがあるんですよ、外はしっかり、で中は、ちょっとしっとりしていて吸い付く様な。

あと、プロで使っていた硬式用グローブで軟式ボールを取ると、どうしても革の硬さがボールを嫌ってしまうんですね。でも、硬い硬式ボールを取ると吸い付いてくる。これは、革の性質の違いで軟式と硬式が分かれている理由でもありますね。ただ、この軟式グローブは、硬式ボールを捕球しても問題ないと感じる良いグローブです。吸いつき方は、感覚的な要素もあるとは思うんですが、使っている感じは全然変わらないです。先ほど、違いはないと言ったのは、軟式・硬式という分け方すら凌駕してしまう程、クオリティーが高いということです。

小川:ありがとうございます。

GCB x スラッガー、今後の展開は?

ーー最後に、お互いへの敬意を感じる非常に良いパートナーであるお二人にお聞きします。GCBとスラッガーのコラボレーションは、今後どのような展開が期待できるのでしょうか?

小川:そうですね。ウエアに関しては、普段でも着られるようなタイプのものは、会社としても増やしているので、このコラボの中でも、普段も着られるようなものとかが出来てきたら、また面白いかなと思いますね。

ーーなるほど。スラッガーは、アパレルにもこだわりがありそうですね。

小川:全てが純日本製というこだわりはあります。
他社ですと、海外での大量生産が主流になっているので、決まり切ったものが流通してしまう懸念があります。ただ、スラッガーは、国内生産ですので、生地ひとつから選ぶことが出来ますし、「こういう生地ないのかな」っていう要望があれば、すぐに探すことも出来るので、融通はものすごく利くんですよね。また、少ロットからの生産も対応が出来るので、そういった面は、他のメーカーさんに比べたら、すごく柔軟に対応できるのかなっていうのは、ありますよね。

今浪:カモフラ(迷彩柄)を取り入れたのもスラッガーが始まりでしたよね。オールスター用のグローブにもカモフラ使ったり、あと、グローブの革で作った鞄もそうですよね?スラッガーが作ったら他のメーカーが作り出したっていう。

小川:確かに、野球界でカモフラをウエアに取り入れたのも、ウチは早い方だと思いますね。今回のGCBコラボのベースボールTシャツにもほんのりカモフラ柄を使用しているのですが、結構斬新だと思います。

今浪:さりげなくね。光が当たると「あれ!カモやん!」みたいなね。
僕は、現役のときからスラッガーを着ていたので、この厚さといい、生地感がすごい好きで。それがそのまま、こうデザインが変わって。元々着やすさも知ってるし、あと、首回り、袖周りがしっかりしてる。野球選手としては、やっぱりありがたいことで、ヘタれてくるというか、ヨレてくることを感じたことが全く無い。でも、しっかりしてるのに柔らかいから、プレーに必要な動きを一切妨げないんですよ。

小川:ありがとうございます、ホントに。

今浪:今後もGCBと共に、軟式野球界へ新しい流行を生み出していきたいですね。

小川:そうですね。そういった取り組みが先駆けて出来ると僕らも誇りが持てますし、やっていきたいですね。一緒に。

ーーとても楽しみです。両者のコラボレーションからは、今後も目が離せないですね。本日は、お忙しい中、ありがとうございました。

小川:こちらこそ、ありがとうございました。

今浪:ありがとうございました。